小胸筋の筋トレ方法!肩のバランスを良くするスキャプディプレッション
小胸筋とは、大胸筋のしたに位置する胸の筋肉です。
あまり聞き馴染みのない筋肉かもしれませんが、実はかなりの働き者?
小胸筋を鍛えることには多くのメリットがありますが、そのためのトレーニング法は一般的には知られていません。
今回は、小胸筋を鍛えるスキャプディプレッションについてご紹介します!
種目名 | スキャプディプレッション |
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分類 | アイソレーション |
主働筋 | 小胸筋 |
必要な道具 | ディップスバー、又はラットマシン |
小胸筋は肩と胸をつなぐ筋肉
小胸筋は、英語では「PECTORALIS MINOR」といい、大胸筋(PECTORALIS MAJOR)に覆われて隠れているインナーマッスルです。
この筋肉は、肋骨から始まって肩の烏口突起に付着しており、肋骨と肩甲骨をつなぐ筋肉と言えます。
その役割は、主に上腕の内転(腕を下に振り下ろす動作)や肩甲骨の下制(肩を下に下ろす動作)に関与しています。
また、日常生活に於いては深呼吸の際に、胸郭を開くために肋骨を持ち上げる動作にも関与しており、正常な呼吸のためにも不可欠な筋肉です。
スポーツにおいて小胸筋が最も使われるのは、野球の投球動作、バレーのスパイク、テニスのサービスなどの「腕を斜め上から振り下ろす」動作になります。
これらの競技をやっている方は、積極的に小胸筋を鍛える必要があります。
小胸筋トレーニングは肩こり予防にも?
小胸筋の主な役割は肩甲骨の下制、つまり肩がすくまないように下にさげる動作です。
逆に、肩を持ち上げて肩をすくませるのが僧帽筋
つまり、小胸筋は僧帽筋の拮抗筋となります。
現代では、PC作業などのデスクワークやスマホを覗き込んだりで、肩を下げて猫背になる姿勢が非常に多くなっています。
この体勢では小胸筋が常に緊張しているため、凝り固まって弱くなっている可能性も。
定期的な小胸筋トレーニングで血行を良くし、ほぐしてあげる必要があります。
逆に、僧帽筋に力が入って肩がすくんでしまうのも問題。
集中してPCに向かったり勉強したりしていると、知らず知らずの内に肩に力が入ってすくんでいることがありますよね。
この体勢だと、僧帽筋に力が入って凝り固まり、肩周りの血流が悪くなって肩こりが悪化します。
これを予防するには、僧帽筋の力を抜いてリラックスすることも重要ですが、意識し続けるのは中々難しいもの。
それなら逆の発想で、肩をすくませる僧帽筋の拮抗筋である小胸筋トレーニングで「肩を下げる」力を鍛えてあげればいいのです。
小胸筋を鍛えるスキャプディプレッションのやり方
肩を持ち上げる僧帽筋のトレーニングといえば、代表的なのは「シュラッグ」
その僧帽筋の拮抗筋を鍛える訳ですから、シュラッグの真逆の動作をすれば良いわけです。
それが、このスキャプディプレッションです。
・ディップスバーに腕の伸ばしてつかまる。
・腕を曲げず、肩をすくませるように身体を落とす
・腕を使わず、胸の力だけで身体を持ち上げる
要するに、腕を一切使わないディップスだと思ってもらえば良いでしょう。
なお、このやり方は中々強度が高いので、回数が出来ない場合は脚を軽く付いて体重を支えながら行うと良いでしょう。
ジムに行かなくても、自宅で同じ高さの椅子を二つ並べることでも行うことが出来ます!
ジムでラットマシンを使う場合
スキャプディプレッションは、ジムではラットマシンを使って行うことも出来ます。
・ラットマシンの前に立ち、バーを腕が伸び切る位置まで引き下ろす
・シュラッグの要領で、肩の力だけでバーを押し込む
・体重をかけて押し込まないように注意
ラットマシンであれば負荷を細かく調整できるため、初心者の方でも始めることが出来ます。
ちなみに、小胸筋は同じく胸のインナーマッスルである「前鋸筋」とほとんどの場合協働しますので、小胸筋と前鋸筋は同じ動作で鍛えることができます。
前鋸筋は広背筋の下側からはみ出して見えるので、あの脇の下のボコボコを作りたい方にも、このトレーニングは有効です。
小胸筋を鍛えて肩のバランスを良くしよう
スキャプディプレッションは、一般的には知られていませんが、小胸筋をピンポイントで鍛えられるトレーニングです。
小胸筋の拮抗筋である僧帽筋は、「鍛えようと思って無くても鍛えられてしまう筋肉」の代表格ですよね。
デッドリフト、ローイング、サイドレイズなど、知らず知らずのうちに僧帽筋まで鍛えられてしまうトレーニングはとても多く、僧帽筋の発達に対して小胸筋のバランスが取れていないトレーニーも少なくないのです。
ぜひ定期的な小胸筋トレーニングを取り入れて、肩周りの筋力バランスを保っておきましょう!